近年、4脚ロボットの研究開発が進み、実用化可能なレベルで使用できるようになりつつあります。
従来の移動ロボットは、車輪型が基本であったため、ロボットを導入するにはロボットに対応した設備に作り替えたり、専用設備を導入する必要があるなど、大規模な投資が必要でした。
一方で、4脚ロボットは、ある程度の段差や階段であれば容易に移動が可能なので、人間が作業可能な空間であれば、基本的に追加の設備変更などは生じることなく、容易に導入することが可能になりました。
このように、車輪から脚へとロボットの移動手段が変化しつつあるのですが、必ずしも足は車輪より優れているとは限りません。例えば、段差が全くない環境であれば、足を使用するよりタイヤを用いたほうが、スピードも速く、エネルギー効率も圧倒的に良いでしょう。
そこで、歩行機能に車輪機構を追加したロボットの研究がしばしば行われています。そこで、以下に、車輪付きの4脚ロボットの具体的な事例をいくつかリストアップしました。
Max(Tencent Robotics X)
まず最初に紹介するのは、Tencent Robotics Xが開発したロボット、Maxです。
このロボットは、各足の膝の部分に、タイヤがついています。後ろのタイヤが恐らく駆動輪で、前は非駆動輪です(オムニホイールなので)。このロボットは、メカニカルな側面で、とても新規性があると思います。以下は、ANNnewsCHのYouTubeチャンネルで公開されているMaxの動画を埋め込んだものです(Tencent Robotics Xの公式動画が見つかりませんでした)。動画を見ていただくとお分かりいただけると思いますが、歩行から車輪移動への移行がとてもスムーズに行われています。
とても興味深いと思います。
ANYmal(ANYbotics)
次に紹介するのは、ANYboticsが開発しているロボット、ANYmalです。正確に言うと、チューリッヒ工科大学の研究室で研究開発されたロボットで、事業化するために、ANYbotics社が立ち上げられました。ANYmalにはタイヤが付いているものと、付いていないものがあり、ここの記事では、タイヤがついているものの紹介です。
動画を見ていただくと、このロボットの凄さがわかると思いますが、本当にリズミカルでスムーズに動いています。
最近は、新たな映像が公開され、そこでは、起立し2輪走行している様子が公開されています。もう凄すぎて、どこからコメントしたら良いかわからないレベルですね。
TIGER X-1(Hyundai)
最後に紹介するのは、Hyundaiが開発しているロボット、TIGER X-1です。名前にある、タイガーとは、アメリカに本社を置くヒュンダイグループのニューホライズンスタジオが開発するロボットです。TIGERの語源は、Transforming Intelligent Ground Excursion Robotの略となっていて、変形する知能型移動ロボットという意味になると思います。
動画を見ていただくとわかると思いますが、足が4つあります。ただ、移動方法については、上で紹介したロボットとは異なり、歩行というよりは、地形に合わせて柔軟に形が変化するものとなっています。
さいごに
個人的に、四足歩行ロボットに車輪をつけるというのは、移動の効率性と、適応の柔軟性を併せ持つ最強の組み合わせだと思っています。
今回紹介したのはYouTubeで見つけた3種類ですが、もしかしたら、他にもあるかもしれませんし、今後、新たに開発されていくでしょう。
この技術には、注目したいと思います。