シンボルグラウンディング問題(記号設置問題)って聞いたことありますか?今回はこのシンボルグラウンディング問題について、解説していきたいと思います。
一文で説明すると
シンボルグラウンディング問題を一文で説明すると以下のようになります。
「文字には意味がありますが、人工知能は理解できません問題」
この問題ではシマウマの例が使用されますので、ここでもシマウマの例で説明します。人間は、シマ(縞)とウマ(馬)という概念を知っていれば、「シマウマ」と聞いても、特に頭を抱えることなく、馬に縞があるんだろうな~と理解することができます。しかし、人工知能はただの文字列として認識しているだけなので、シマウマと聞いて、シマ+ウマは連想されません。つまり、文字の意味をしっかり理解できないのです。
少し詳しく
記号接地とは
記号(シンボル)は文字のことで、この文字が実世界の実際のもの結びつくことをシンボルグラウンディング、つまり記号接地といいます。
身体性との関連性
我々人間を含め生物は高度な身体をもっており、そこから膨大な情報を実世界から受け取って情報処理をしています。つまり、この知性は身体があるから実現できるのだという考え方が身体性になります。これは、個人的にとても有力ではないかと思います。人工知能には実世界を感じる体験があまりにも少ないのは事実でしょう。例えば、柔らかいものを触ったことのない人に、「○○は柔らかい」といっても、柔らかいを理解することはできません。しかし、実際に自分で手に取って、柔らかいとは△△である、というように実体験を通して理解することができれば、以降の会話でその言葉が出てきても理解することができます。どうようで、人工知能に言葉をいくら理解させても、本物をありのままの姿で実体験できる身体がない以上、記号と実世界を接地させることは難しのではないでしょうか?
ロボット技術や人工知能技術の向上は、現在活発ですので、近い将来、高性能な人工知能と、高性能なロボットがコラボして、高度な知能が可能になると、このシンボルグラウンディング問題が解決されるかもしれませんね。