近年の人工知能技術の発展に伴い、 技術的特異点(シンギュラリティ)という言葉を耳にしたことのある方は多いのではないでしょうか?とはいえ、はっきりとは理解していない方も多いと思います。今回は、この技術的特異点(以降、シンギュラリティ)について説明していきたいと思います。
シンギュラリティとは
シンギュラリティとは、人工知能の能力がすべての面において人間の能力を超えることと一般的に言われますが、人工知能の定義が人により異なるのと同様にシンギュラリティの認識も人により若干異なるでしょう。特異点なので、技術の発散という説明が適切でしょうか。人工知能の能力が超えた瞬間にシンギュラリティになるというのはかなり強引な気もします。実際に、未来学者のレイ・カーツワイルは、シンギュラリティは2045年に、人工知能が人間を超えるのは2029年と予想しているようです。計算機の能力の進歩が途中で完全に止まってしまったらアルゴリズム的に超知能が可能でも、それを運用することはできません。量子コンピュータがいつ頃に開発されるかにかかっているのではないでしょうか。これを踏まえ、一般論として説明すると、人工知能が人間の能力を超えて以降、人工知能が人工知能を開発することを繰り返し徐々に知能レベルを上げていき、最終的にその進化速度が発散する状態のことがシンギュラリティといえます。
シンギュラリティになるとどうなるの?
人間が人工知能に勝負を持ち掛けても勝ち目はありません。
人間が作る以上、人間を超える知能はできないのでは?という疑問を持つ方もいるかもしれませんが、今の人工知能は人間の手を必要とせずに勝手に学習していきます。人間は最初のモデルのみ考えればよいのです。現在は特化型AIつまり弱いAIですが、囲碁AIや将棋AIにしても、開発者よりも確実に強く成長します。将来的に人類よりも万能になり得る人工知能のモデルが提案され、そしてそれを処理可能な計算機が存在すれば確実に人間より知能が高くなるでしょう。
様々な課題
上の文章を読むと、人によっては人工知能の開発なんてやめてしまえと思う方もいるかもしれませんね。しかし、シンギュラリティは避けることはできないと思います。確かに、避けようと努力すれば、多少遅らせることは可能かもしれませんが、現実的ではありません。テクノロジーの進歩は絶対に止められませんし、それに伴い、着実にシンギュラリティは近づきます。そして、多くの方が最も気になるのが人間は必要なくなるのかということだと思います。これに関しては未知数でわからないことも多いですが、ただ一つ言えることは、多数ある解の中から適切なものを選ぶことが重要ということだと思います。少しわかりにくい言い方をしましたが、何事においても、やり方、接し方、関係等は、無限大のパターンがあります。これはシンギュラリティに限ったことではありません。この無数にあるパターンの中から適切な方法、つまり道を見つけ出すことができれば、共にうまく歩んでいけます。そのため、シンギュラリティで人工知能の知能が人間を超えたからと言って、必ずしも人間が必要なくなることはないと考えます。ここは倫理的な面が多く、大変難しいです。今は、いかにAIを活用していくか、そして人間にできることは何か?と常に考え、AIと共にする未来を明るく輝くものに創造していくことがベストと考えます。
まとめ
持論の展開になってしまいましたが、未来に対する考え方は十人十色で、みな違います。しかし、ただ一つ言えることは、未来を明るいものにしようという思いは皆共通ということです。ともに、明るい未来が来るように人工知能を創造していきましょう!