2019年の12月18日から21日にかけて、東京ビッグサイトの青海・西・南ホールにて国際ロボット展が開かれ、私は19日に見にいきましたので簡単に報告します。私が最後に国際ロボット展へ参加したのは2015年ですので、自分の知識が業界から遅れているのは確実ですが、そのときとの比較ができればと思います。
※本記事で書かれている内容は私個人の意見であり、厳密に検証したものではありません。あくまで管理人の主観的なものであり、信頼性を保証するものではないことをご了承ください。
全体的に感じたこと
1.サービスロボットのブースが増えた!?
私が以前訪れた時が2015年なので、少なくともその時よりはサービスロボットのブースが増えていると思います。今後はサービスロボットの分野で大きな発展が望めるため、今後もブースは広くなることが予想されます。
2.サービスロボットに関連するブースに中国企業が多数存在!?
料理を運ぶ中国の人型ロボットが展示されていました。その他にも中国企業が出展していました。いくらインターナショナルとはいえ、見に来るのは日本人が多いですね。
4.トヨタが人型ロボットを開発していた!?
トヨタはT-HR3という人型ロボットを開発していたようです。調べたところT-HR3の展示は今回が初めてではなく、2017年の国際ロボット展が初めてのようでした。
私は産業用ロボットよりもサービスロボットに興味があるため、注目している部分がサービスロボットよりの偏った見解になってしまいましたが、こんな感じでしょうか。
革命・産業IoT国際シンポジウム2019 に参加した
ロボット革命・産業IoT国際シンポジウム2019(The Robot Revolution and Industrial IoT International Symposium 2019)の前半を聴講してきましたので、私が思ったことと感じたことを述べたいと思います。
事前予約をしたので、早く会場に入場すれば前の方に座れたとは思うのですが、レセプションホールへの行き方が分からず、迷子になったため、始まる直前に入る羽目になり、席はほぼ一番後ろになってしまいました????
会場に入っての第一印象は、参加者の多くがご高齢だったことです。恐らく40代以降の方が多かったのではないでしょうか?イノベーションの鍵を握るのは、やはり若者なので、もっと多くの若者が来場していてもいいのになぁ、もっと若者に聞いてほしい内容だったと個人的に思っています(僕今20歳ですが:2019年12月時点)…
公演の多くは英語で行われました。翻訳機が各人に配られるため、困らないはずでしたが、耳にフィットせず、大変聞きにくかったです。近くから翻訳機の大きな音がしてくるので、なぜ耳元なのにそんなに大音量なのかなあと思っていましたが、いざ使用してみると、ボリュームを大きくしても聞きにくい! 音漏れがひどく周りへ迷惑が掛かっているなあという罪悪感が増すだけだったため、頑張って英語で聞くことにしました... 頭が疲れました。英語は聞きにくいものではなかったですが、内容が理解できたかと聞かれればNOです...
講演は13時00分から17時45分までの4時間45分に及ぶものだったため、Session 1のみ聴講し、後は退場させていただきました。とはいえ、聞く価値がなかったのではなく頭がつかれたからです。前半だけでも内容の濃いもので、十分聞く価値がありました。
私が聴講していない部分を含め講演の概要を示しておきます。
プログラム
Welcoming Remarks:髙田 修三 氏(経済産業省 製造産業局長)
Speech 1:”産業IoTの将来ビジョンへの道筋:人と機械の将来、そしてシステムアプローチ” 大宮 英明 ロボット革命イニシアティブ協議会 会長
Speech 2:”ドイツの新しい戦略的発展と日本との二国間協力” Markus Heß 氏 独 経済エネルギー省 次長
Session 1 "グローバルコミュニティにおける将来ビジョン"
Keynote Speech 1:”人間の能力を支援し高めるロボティクスイノベーション” Max Bajracharya 氏 TRI ロボティクス担当副社長
Keynote Speech 2:”人間と機械のコラボレーションの新しいパラダイム” Henning Kagermann 氏 acatech 理事会議長
Speech 3:”デジタル・トリプレットによる人のエンジニアリング活動の支援” 梅田 靖 氏 東京大学 教授
Panel Discussion:パネリスト→ Max Bajracharya, Henning Kagermann, 梅田 靖, Markus Heß 氏
Session 2 "多様な視点でのシステムアプローチ"
Speech 4:”IIC:産業用IoTシステムの構築方法の学習” Stephen Mellor 氏 Industrial Internet Consortium 最高技術責任者
Speech 5:”スマート生産技術の持続可能な研究戦略” Reiner Anderl 氏 インダストリー4.0 研究評議会 科学委員長、ダルムシュタット工科大学 教授
Speech 6:”信頼できるデータ共有アーキテクチャを確立するためのシステムアプローチ” Boris Otto 氏 International Data Spaces Association 副会長、フラウンホーファー研究所 教授
Speech 7:”第4次産業革命における日独専門家協力” 木村 文彦 氏 ロボット革命イニシアティブ協議会 国際標準化アクショングループ 主査、東京大学 名誉教授
Panel Discussion:パネリスト→ Stephen Mellor, Reiner Anderl, Boris Otto 氏
Closing Remarks:中富 道隆 氏 ロボット革命イニシアティブ協議会 運営幹事
講演内容をここに記すわけには行けないと思いますので、触れることは避けておきます。ですので、私が感じたこと、考えたことを以下に書かせていただきます。
日本人は、アニメに代表されるようにロボットを友人と感じる傾向が、一方で海外はロボットを敵と思う傾向があることがよく知られています。しかし、ロボット化においては逆転が起こっているようです。日本人はロボットが仕事を奪うと考え、一方でドイツを代表とする海外ではロボットは人間の仕事の幅を広げるパートナーとして考える傾向が強いようです。ロボットが普及する前は、ロボットを友人のように描いた一方で、実際にロボットが普及し始めるとロボットは仕事を奪う敵だという認識をしているのが日本だということです。これは人工知能についても同様のことが言えるでしょう。
とはいえ、果たしてこんなに簡単に仕事を奪うか奪わないかで語ってよいのでしょうか。たしかに見方によっては仕事を奪うといえるかもしれませんが、働き方を変えるチャンスというべきではないでしょうか。
今まで人間が行っていた冗長な単純作業がロボットに変わることで人間の得意とする思考中心の仕事に注力する人材を増やすことができます。ただ一つ言えることは、仕事の難易度が上がることです。もちろん、パートやアルバイトといった領域は消えてしまうかもしれません。しかし、ロボットが家庭へ進出したらどうでしょうか。家事や子育てをロボットに任せられれば、かつてパートやアルバイトとして働いていた女性など多く方が、正規雇用として働けるチャンスを与えてくれるかもしれません。
そして、何よりも、人間に働く意思と挑戦心があれば、人間の仕事は無くならないし、ロボットと協力することで、以前では不可能だった仕事分野を可能にできると思います。
仕事を奪う存在という考えは、マスコミの影響が強いと思います。ロボットにより奪われる仕事に重点をおいた記事が多々見られるのです。中には、何パーセントの方が失業するなどといった数値をあげて脅しにかかるような記事もあります。もちろん、そのような記事を書くなとは言いません。ただ、「○○万人が失業する」ではなく、ロボット化により生まれた新たな仕事分野で「○○万人の雇用が生まれる」ということに重点を置いてほしいのです。そして、ロボットと切磋琢磨することで人間世界は素晴らしく変わるという雰囲気を世間に作ってほしいのです。
今回の講演では、人間とロボットの共同化、知能化についてしばしば触れられていました。また、ニューラルネットワークなど機械学習に触れる場面も多かったです。それだけ、人工知能の発展とロボットの発展が連動している証拠です。この技術が人の仕事を奪うものではなく、人の仕事の質や効率を上げ、さらなる人類の発展に貢献するものにしていくには、多くの方々が持つロボットや人工知能に対する恐怖や不安を刷新し、皆で新たな未来を創造していく必要があると思います。
長くなりましたが、読んでいただきありがとうございます。私の考え方が偏っているかもしれませんが、参考になればと思います。